10月18日(日)に祖父の13回忌、父の3回忌追善会を京都観世会館で催します。
私は「安宅」をこの機会に披かせていただきます。
「安宅」と言えばいまさら説明するまでもないほどの有名な曲…
藤原氏を頼って奥州へ向かう山伏姿に変装した義経一行が「安宅の関」にて関守 富樫に見咎められます。
その危機を乗り切るために義経第一の家来、武蔵坊弁慶が咄嗟に偽の勧進帳を読み上げ、義経を金剛杖で叩きのめし、その男気にうたれた富樫が、義経とは知りながら関所を通す事を許す、というなんとも人情味あふれる作品。
何年前でしたか…
NHK大河「義経」では松平健演じる弁慶が滝沢秀明演じる義経を泣きながら何度も打ちのめしていたシーンが非常に印象的でした。
この度は次女の桜子に義経役の子方です。
先日思い切って石川県、小松にある「安宅の関」まで桜子を乗せて車で訪ねてきました。道中、車中で「義経」のDVDを見せながら…
安宅公園には弁慶、義経、富樫の石像が三体並んでいます。
娘もようやく自分がやる役の重要さ、を理解できたみたいでその後の稽古の様子が変わってきました。甲斐ある小旅行でした。
私は…といえば「ひためんもの」は実は苦手でこれまで避けておりました。
実はまだ「小袖曽我」しかやったことがないのです。しかもこれは「観世会」であてられた曲。
今回2曲目となりますこの「安宅」。
亡くなった父が42歳の若さで披いており、その翌年に心筋梗塞で倒れた、という因縁の曲なのです。
私も47歳になりました。是非この機会に挑戦してみたくなりました。
三読み物の一つとされる「勧進帳」は有名ですが、他にも「ノット」「判官打ち」「関所破り」「男舞」「滝流し」…と型どころ満載の曲で気を抜けるところがありません。
独立して今年がちょうど20年目。
ワキに福王和幸氏、アイに野村萬斎氏、地頭に片山九郎右衛門師、囃子方、同山もすべてに至るまで私の我儘でお付き合いいただきます。この配役で出来る有難さを噛みしめて、今の持てる力をすべて出し切り臨みます。
もう1番の能は「二人静」。
なぜ2番とも大小もの???と思われる方も多いでしょう。
今回は「立出之一声」の小書き付きで観世清和御宗家と片山九郎右衛門師に特にお願いをして両シテにてお勤めいただきます。
理由はただただお二人の「二人静」を私が拝見したいから、なのです。
今回が初の共演となる「二人静」。非常に楽しみです。
息子の道隆には舞囃子「海士」を舞わせます。まだ何もわからずにボーっとしていますが今回この大舞台での経験になにか意義を感じてくれたらと願っています。
他には千五郎師、七五三師の「悪坊」。杉浦豊彦氏の舞囃子「砧」、京都観世会大家の仕舞数番があります。
当日には今必死で資料をかき集めております「パンフレット」をお配りいたします。
久しぶりの大きな会となりますこの公演。
現在、S席(正面指定)、A席(脇正面指定)は補助席があり、B席(中正面、2階自由)はまだ余裕があります。
是非お越しください。
よろしくお願いします。
posted by wakeba at 00:11| 京都 ☁|
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